アメリカの大学…
数が多すぎて、どこへ音楽留学すれば良いか分からん!
と悩んでいませんか?
大学留学するなら、まず、アメリカの大学には様々な種類があることを知らないとなりません。
その上で、音楽を専攻したい場合は更に詳細を知る必要があります。なぜなら、大学の種類によって教育内容や、取れる学位が異なってくるからです。
そこで本記事では、大学の種類によって、どう音楽教育内容や学位が違うのか解説します。大まかな傾向を掴んで頂ければ嬉しいです。
本記事では学位の略称を使っているので、もし音楽系の学位について分からないことがあれば、
をご覧いただいてから読み進めて頂くと分かりやすいと思います。
1. アメリカ音楽留学:大学の種類によって音楽の教育内容が違う!
(1) コミュニティ・カレッジ
コミカレは2年制の大学で、一般教養を学べる学校です。2〜3年の課程ということで日本の短大をイメージする方がいらっしゃるかもしれませんが、日本と違って一般的に専門性は高くありません。取れる学位はAssociate Degreeになります。
数は多くないですがコミカレの中には、音楽コースを設置しているところがあります。さらに4年制大学以上の素晴らしい音楽プログラムを持っているコミカレもあって、そうした学校では、Vocational(実践的)であることや専門性をアピールしています。
低予算でプロフェッショナルになるための音楽の勉強をしたい!
という方に非常にお勧めです。
ただし、こうした専門性の高い課程をコミカレで専攻した場合、4年制大学への編入は難しくなる傾向があります。もし、コミカレで勉強した後に4年制大学への編入を希望するなら、予め行きたい4年制大学の目星を付けておいて、行く予定のコミカレの単位がどのくらい移行できるのか、4年制大学側に先に確認した方が時間とお金とエネルギーの節約になります。
(2) リベラルアーツ・カレッジ
リベラルアーツ・カレッジは、一般教養に重きを置く4年制大学です。従って、専門性は高くありません。
アメリカの義務教育(小学校〜高校)は、のんびりと子供たちの個性を育てるのが特徴です。逆に言うと、義務教育を終了しただけでは、自分の興味のあること以外、何も知らない子が多い。そのため、大学自体の位置付けが専門性を高めるというより、教養や様々な知識を身につける場所とされています。基本的に、専門をやりたいなら大学院へというスタンスです。
リベラルアーツ・カレッジは、正に、社会人になる前に様々な教養を身につけることを目的とした学校で、とてもアメリカらしい大学と言えるかもしれません。
だから、どんな分野も0からスタートできます。音楽をやったことがない人でも気軽に始められるのが利点です。しかもリベラルアーツ・カレッジは大学の規模が小さいので面倒見が良いです。音楽が充実した学校を選べば、それなりに楽しく勉強できると思います。取得できる学位はBachelor of Arts (BA)です。
ただ、繰り返しになりますが専門性が高くないので、ピアノを習っていたなど、少しでも日本で音楽をやっている人には物足りなく感じると思います。また、実技より学術性が重視されるため、座学が多くなり、ガンガン演奏したい、音楽のネットワークを広げたい、様々な音楽的経験を得たい人には向かないです。
どんな人向きかと言うと、
様々な分野を英語で勉強しつつ、音楽もちょっとやってみたい!
とりあえず音楽をやってみて、本気でやりたくなったら大学院へ行けばいい
という人だと思います。
(3) 総合大学
総合大学はUniversityと呼ばれ、様々な学部の集合体というイメージです。Universityより規模は小さくなりますが、Collegeと名前を付けている場合もあります。
また、学部はSchoolやCollegeと言い、このSchoolやCollegeの中に大学課程や大学院課程があります(Collegeは「大学」の他に「学部」という意味があるので、少しややこしいです)。
総合大学では、音楽専攻の設置のされ方が次の2通りになります。
- 音楽学部があって、その下に諸々の音楽専攻がある
- 音楽学部はなく、音楽学科のみある
1.「音楽学部」がある場合
アメリカの大学の学部は、日本の大学のイメージと少し違います。それぞれが独立した学校、機関のような感じで、学部の建物も1つの学校のように大きかったりします。音楽学部は、〇〇 School of Music(音楽学校)や×× Conservatory of Music(音楽院)のように呼ばれます。Conservatoryと名の付いている方がより専門性が高いです。
この音楽学部の下に音楽系の様々な学科があり、更に学科の下に幾つもの専攻が紐づけられています。そのため、音楽学部がある場合は専攻の種類が豊富で、スタジオなどの施設もより整っています。
取れる学位はBA, BS、中にはBMを取得できるところもあります。
2.「音楽学科」のみある場合
学科はDepartmentと言い、音楽学科ならMusic Departmentです。その下に幾つかの専攻(Performanceなど)があります。
音楽学部がなくて教養学部、教育学部、芸術学部などに音楽学科が設置されている場合があります。教養学部だと内容はリベラルアーツ・カレッジに近いと言えます。教育学部、芸術学部の音楽学科の場合、学校によって内容、専門性が異なります。
取れる学位は大学によって違います。ただ、BMがあるところは少ないでしょう。
何れにしても総合大学、特に州立の総合大学は、規模が巨大でシステマチックに運営されます。特に英語が分からない留学初期だと、大きなキャンパスで孤独を感じるかもしれません。また、最初の2年は一般教養を取るのが普通なので、専門はその後になります。
(4) 音楽大学
アメリカの音大は日本の音大のような感じです。どこも小規模で、大学名が〇〇 Conservatory、 ×× School、 △△ Institute、 ☆☆ Collegeなどとなっています。これらの大学には、音楽の専門教育を施し、将来のプロフェッショナル・ミュージシャンを育てるカリキュラムがあります。大きなコンサートホールやスタジオ、機材が豊富にあり、練習室も多いので、音楽に没頭できる環境が整っています。
学位は様々なものがありますが、BMが取得できるのは殆どが音楽大学です。
音楽大学は、大別すると
- クラシック系(古くからある音大に多い)
- コンテンポラリー・ミュージック系(比較的新しい音大)
の2種類があります。
クラシック系の大学は、The Juilliard School, The Curtis Institute of Music, New England Conservatoryなどが有名です。
コンテンポラリー・ミュージック系は、Berklee College of Music, Musicians Instituteなどがあります。元々は楽器屋さんであったり、専門学校から大学になった、比較的新しい音大です。
ジャズはクラシック系でもコンテンポラリー系でも、音大によってオファーしているところとそうでないところがあります。コンテンポラリー系の音大は数えるくらいしかないため、総合大学でコンテンポラリー・ミュージックをオファーしている学校をあわせてリサーチすると良いです。コンテンポラリー・ミュージックを主専攻として設置しているところは少ないですが、副専攻で設置しているところは割にあります。