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アメリカ留学 Tips 3 アメリカの大学の種類 その1

留学準備
この記事は約7分で読めます。

アメリカへの大学留学をお考えの方へ。

アメリカの大学、日本と同じだと思ってませんか?

いやいや、全然違うよ!

そもそも日本に無いような形態の大学っていうのがアメリカにはいっぱいあるんです。知らないで留学、あり得ません!まず大学探しをする前に、そうした基本的な知識を身に付けましょう。

このサイトを見れば全部分かるように、体系立てて事前に絶対知っておいた方が良い情報を「アメリカ留学Tips」シリーズでお伝えしていきます。

本記事では、アメリカの大学にはどんな種類があるのか、大学の財源の観点から説明します。これからお話しすることは日本で殆ど知られていないことも含んでいるので、要チェック!

1. アメリカの大学の種類

(1) 公立(Public)と私立(Private)の違い

アメリカに国立大学はありません(軍士官用のみです)。公立大学(州立、市立)と私立大学があります。アメリカ政府は大学の運営管理に関与せず、補助金やプログラム管理という面で大学と関わりを持っています。

一般的には公立大学の方が私立大学より規模が大きいです。

① 公立と私立で質、レベルの違いはあるか?

正直、比べられないです。日本と同じ感じで、アメリカの大学のレベルや質をランキングで推し測ることはできませんし、ランキングなど当てにする人もいません。偏差値なんて無いですし。

ただ、歴史的に見るとアメリカの大学は私立からつくられたので、古い名門校と呼ばれるのは殆どが私立大学です。Ivy Leagueが良い例ですね。

公立大学(州立、市立)も素晴らしい学校が沢山あります。州立大学については名前を見るとある程度レベルが分かります。University of ◯◯と◯◯に州名が入っている大学は、その州のトップと考えて良いです。例えば、私がいたミネソタでは、University of Minnesotaは州一番の名門です。2番目は ◯◯ State Universityと州名の後に stateが入っているもの、3番目は更に名前にEasternとかWesternとか方角が付いているものです。ただ、私立大学には全く当てはまらないので注意して下さい。

公立と私立で教育の質に違いはなく、それぞれの大学に個性があります。公立大学は巨大で複雑な大学システムを持っているマンモス校が多いので、アットホームな雰囲気を求めるなら中小規模の私立大学の方が良いかもしれません。また、各地に地元の人しか知らない名門私立大学というのも存在しますが、ランキングで相当の順位でなかったりランク外になってたりするため、日本からそういう大学を見つけるのはかなり難しいです。

② 公立大学と私立大学の学費

学生の立場から見た公立大学と私立大学の大きな違いは学費だと思います。私立は誰に対しても一律同じ学費を請求します。公立大学に比べて非常に高いです。理由は連邦政府や州政府からの財政措置が公立に比べて少ないからと言えます。

4年制大学の学費【2019年〜2020年度】

・公立大学:約$7,000-$25,000/ Semester

・私立大学:約$13,000-$35,000/ Semester

※学校が設定する様々な諸費用を含まない純粋な学費です。

Semesterは2学期制を意味し、アメリカの大学で多く採用されています。1 semester=1学期分(約4ヶ月)を2倍した金額が1年間分の学費です。夏季学期を履修したい場合は別途費用ががかかります。

ここで注意しなければならないのは、留学生にとって公立が安いとは限らないことです。公立の学費は州民と州外民用の2パターンあります。安い学費はその州民に適用されますが、州外民および留学生はその2〜3倍高い州外民の学費(Out of StateとかNon Residents等と表記されます)が適用されます。そのため結果的に私立とさほど変わらない学費を払うことになります。

また学費は公立私立ともに毎年5%ほどアップしていくので、最新の金額はその学校のWebsiteあるいは直接メールなどで確認する必要があります。

(2) フォープロフィット(For-profit)とノンプロフィット(Non-profit)

これは日本人にはちょっと理解しにくい形態だと思います。実は私が留学前に色々調べていたとき、日本でこれについてきちんと説明してくれる人や会社はありませんでした。

実はアメリカの大学は、公立(Public)、私立(Private)だけでなく、非利益追求型(Non-profit)と利益追求型(For-profit)という分け方ができます。

したがって、アメリカの大学は次の3つに分類できます。

1. Public/ Non-profit

2. Private/ Non-profit

3. Private/ For-profit

公立で利益追求型がマッチしないのは想像できると思います。そのため全ての公立大学(Public)は非利益追求型(Non-profit)と言えます。

私立大学(Private)には、非利益追求型(Non-profit)と利益追求型(For-profit)があります。非利益追求型(Non-profit)は、行政から補助金をもらうため非営利大学としての条件をクリアし、その認定を受けている大学です。財政的な理由から、非利益追求型(Non-profit)の大学の方が数としては多いと思います。

そして日本では馴染みがない、利益追求型(For-profit)とは何でしょうか?文字通り、このFor-profitの大学というのは利益を生み出すのが目的で、教育の観点よりも財政的な理由を優先して運営されています。

For-profitの大学は求人、マーケティング、役員のボーナスに大きく財源を割いています。こうした大学にはオーナー(投資者)がいて、大学はオーナーへ利益を返さなければなりません。これが至上命題です。そのためカリキュラムの改編、教師や施設的な投資など、大学が本来優先して行うべきものが後回しになりがちです。

対して、Non-profitの大学は公立私立に関わらず、学費や諸料金など学生から得たお金は教育に再投資しなければなりません。そのため、一般的にはNon-profitの大学の方が、教育や方針、カリキュラムの質の信頼性がより高いと言えます。

For-profitの大学は今日、ほとんどがオンラインスクールであり、専門性を高めたいが時間がないという社会人には特に魅力的に映ります。しかし雇用主の中にはこうした大学での単位や資格、学位といったものを低く評価する人もいるので注意が必要です。ちなみにオンラインスクールでは学生ビザが下りないのでアメリカへ留学することはできません。

ここまで書くとFor-profitの大学のイメージが悪くなってしまいそうですが、For-profitの大学は実践的・職業的という特徴があり、中には質の高い教育を行っているところがあります。そのFor-profitの大学が良いかどうかを見分けるためには、きちんと認定機関から大学としての認定を受けているかどうか確認することが必要です。

ここで、私の経験談ですが。。。

Pioneer Press

私が2016年秋に入学したミネソタ州のMcNally Smith College of MusicはPrivateでFor-profitの大学でした。NACCASという認定機関から大学としてNational Accreditationを受けていて、 音楽プログラムはNASMから認定を受けていました。

カリキュラム、プログラムの内容を調べると私が学びたいものがバランス良く配置されていて、1年次からプライベートレッスンを取れるのが大変魅力的でした。しかも規模も小さくアットホームな感じで自分に合っていると思いました。

実際に入学すると、学校、プログラム、教授陣、スタッフ陣が素晴らしく、実践的に音楽が学べて本当に来て良かったと思っていました。皆が口を揃えて「McNallyはユニークだ。こんな学校他に無いよ」と言っていました。

ところが3学期目の期末テストを控えたある日の夕方、学長から全学生へ「この大学は6日後に閉校する」という一斉メールがいきなり来たのです。教授陣さえ、知ったのはその数時間前でした。皆、何が起こったのか理解できず、涙にくれ、パニックの中で最後の日々を過ごしました。。。

実は、アメリカでは意外と学校閉校のニュースを聞きます。McNallyの学生の中には「これで閉校する目に遭ったの3校目なんだ。」という子がいて絶句してしまいました。日本のように閉校のかなり前から万全の体制を整えて皆が困らないようにする、あるいは行政が間に入ってスムーズに手続きを進めていくことなどアメリカではないんだと思い知りました(公立であれば行政関与はあるでしょうが)。

ただ、流石にこれほど急に閉校を宣言するケースは異常でした。要は倒産なので、既に学費を払っていた子たちへの返戻はなく、教師陣や学生バイトへの最後の給料払いもありません。経営陣からのきちんとした説明も全くありませんでした。

McNallyはとても素晴らしい学校で、私はMcNallyで勉強し卒業したかったのですが、やはりFor-profitということで体制的な問題を抱えていたと思います。For-profitでも良い学校は沢山あると思いますし、私のような経験はレアですが、災難に遭わないために最初からNon-profitの大学を選んだ方が良いだろうと思います。特にパンデミックになってから学校経営は難しくなっていて、既に潰れている学校もありますし、これからもっと多く出てくるだろうと予測できるので。

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