アメリカへ大学留学をお考えの方へ。

留学したいけど、、、お金がぁぁぁぁぁ(泣)
そのお悩み、めちゃめちゃ分かります!!私もそうです。

そもそも、大学留学ってどのくらい費用がかかるの?
奨学金は?
出来るだけ費用を抑えて留学するには?
バイトできる?
次から次へと疑問が出てきますよね。
留学するには「お金のはなし」は避けて通れません。特にアメリカの大学へ学部生として留学する場合、かなり費用がかかります。事情通かどうかでも、かかる費用が変わってくるので、ある意味、情報戦です。
これまで、大学でかかる費用や生活費、バイト事情、私のリアルな留学費用、もらえるお金、奨学金が多く出る大学などについて解説してきました。
今回は、アメリカの大学について、ものすご〜く膨大なデータを持っているU.S.Newsから、”10 Most, Least Expensive Private Colleges”「最も学費が高い私立大学 vs 安い私立大学10選」をご紹介します。2020年度、最新のデータが使用されています。
本記事を読めば、アメリカの学費の高い大学はどのくらいするものなのか、また、安い大学だとどのくらいなのか分かると同時に、大学によってコストが全く異なることなどが分かると思います。
このウェブサイトでは、留学前に絶対知っておいた方が良い情報を「アメリカ留学Tips」としてシリーズでお伝えしています。真剣に留学(特に大学留学)を考えている方はぜひ他の記事もチェックしてみてください。
1. U.S.Newsとは?

最初にU.S.Newsについて、軽く触れておきます。U.S.Newsとは、U.S.News & World Reportという時事解説誌で、一般的にはU.S.Newsで知られています。現在はオンラインのみの発行です。ウィキペディアによれば、Time、News Weekに次いで、時事解説誌として全米3位の発行部数を誇るそうです。
アメリカには偏差値など存在しないのですが、実は色々な観点から大学をランク付けするウェブサイトは多くあります。中でもU.S.Newsの大学ランキングは老舗かつ有名で、毎年注目されています。
U.S.Newsの大学ランキングは、全米の大学を全国、地域別、分野別、リベラルアーツ大学などに分けてランキングしています。データが厚く、内容が濃く、信頼できるソースなので、留学前にチェックする人は多いと思います。
U.S.Newsは、大学ランキングだけでなく、自社の膨大なデータを使ったり取材したりして、大学に関する記事を沢山アップしているので、参考にすると良いですよ。
※とは言え、U.S.Newsの大学ランキングは大学の概要を掴むのに良いのですが、それだけでは情報量が足りないしランキングにこだわる必要もありません。他のランキングサイトや情報サイトを見たり、それぞれの大学のサイトも確認するなど、きちんと情報収集をして比較検討してください。
2. 最も学費が高い vs 安い私立大学10選

さて、U.S.Newsの記事、
”10 Most, Least Expensive Private Colleges”を元に、私が概要を意訳し解説を加えます。
まず、前置きとして、
2020年春に各大学からU.S.Newsへ寄せられたレポートより、2020年度の学費と諸費用が最も高い私立大学、最も安い私立大学のリストが作成されています。U.S.News大学ランキングにランクインしていない大学は含まれていません。
また、この記事では、大学にかかる費用(Cost of Attendance)=学費(Tuition)と諸費用(Fees)として話を進めています。
日本の大学では、学費だけ納めればよくて諸費用(Fees)を請求されることはあまりないと思います。しかしアメリカでは、○○施設使用料とか色々手数料を付けてくるのが普通で、クラスを取ると手数料がかかる場合もあります。
つまり、「学費」+「諸費用」=「大学へ支払わなければならない最低額」です。
なお、アメリカは新年度が9月からなので、記事中の年度は9月〜翌年8月ベースとなります。
(1) 最も費用が高い私立大学10選
<2020年度最も費用が高い私立大学>
大学名(州) | 学費と諸費用の額($) | U.S.Newsの大学ランキング |
---|---|---|
Columbia University (NY) | 64,380 | 全米総合大学ランクNo.3 |
Kenyon College (OH) | 61,100 | 全米リベラルアーツ・カレッジランクNo.28 |
Franklin & Marshall College (PA) | 61,062 | 全米リベラルアーツ・カレッジランクNo.43 |
Vassar College (NY) | 60,930 | 全米リベラルアーツ・カレッジランクNo.13 |
Amherst College (MA) | 60,890 | 全米リベラルアーツ・カレッジランクNo.2 |
Colorado College | 60,864 | 全米リベラルアーツ・カレッジランクNo.25 |
Tufts University (MA) | 60,862 | 全米総合大学ランクNo.30 |
Brown University (RI) | 60,696 | 全米総合大学ランクNo.14 |
Duke University (NC) | 60,488 | 全米総合大学ランクNo.12 |
Boston College | 60,202 | 全米総合大学ランクNo.35 |
<以下、U.S.Newsの記事より>
ここ20年、大学費用が軒並み高くなり続けている。私立大学は公立大学より更に高いことが多く、高い大学ではたった1年だけで$60,000もする。
各校から寄せられた2020年度春学期のレポートでは、U.S.News大学ランキングに載った私立大学876校の費用は、1年で平均$35,492だったが、もっと高い大学もある。費用が最も高い私立大学の平均は$61,147だ。そして138の私立大学では、費用が$50,000を超えていた。
しかし、今年は新型コロナウィルスによるパンデミックのため、多くの学校で予定されていた値上げを延期した。例えば、デューク大学は最も学費の高い私立大学の1つで、2020年度の費用が$60,488になる予定だったが、8月にその3.9%の値上げを止め、諸費用を減額するか保留すると発表した。
いくつかの大学は、2020年秋学期の学費の値下げに踏み切った。U.S.Newsデータの中で最も費用が安い10大学の1つ、テキサス州ポールキン大学では秋学期に$9,125を予定していたが、7月に全てオンライン授業になった場合、学費を28%減額すると発表した。
とは言え、依然、多くの大学では金がかかる。U.S.Newsデータで最も費用が高い大学の1つ、コロンビア大学では今年度$64,380だ。同大学は、全米ベスト総合大学ランキング3位で、研究機関でありながら、学士、修士、博士課程においてあらゆる専攻が用意されている。
最も学費の高い10大学は、全米ベスト総合大学ランキング、あるいは、全米ベスト リベラルアーツ・カレッジ ランキングにランクインしている学校でもある。
これらの大学は東海岸に集中していて、ニューヨーク州、ノースキャロライナ州、マサチューセッツ州などに位置している。
確かに厳しい費用だが、今回は、多くの私立大学で出ている奨学金について考慮していない。例えば、デューク大学は、2019年度100%の学生が援助を求め、約半数の学生に対してNeed Basedの援助を行った。U.S.Newsデータ調べでは、フルタイムの学部生に対して平均$55,374のNeed Basedの奨学金を出している。
・例年、アメリカの大学は新年度になると学費や諸費用を値上げします。名門州立大学の学長でも「何故毎年値上げするのか、内訳はどうなっているのか分からない」と言っていたので、ここはブラックボックスです。
・大学が1年間にかかる費用として示す金額は、約9ヶ月分(2 Semesters)となります。夏期講座の登録は任意で、別途学費がかかります。また、基本、学期ごとに学費等の支払いをします。
・パンデミック下にあるアメリカの現状は、日本と全く異なります。多くの州でロックダウンを行ったのにもかかわらず、感染が止まらない。秋に再開した学校も、再開したところで感染爆発が起こってしまい、結局オンラインを中心に授業を行って対面授業はかなり限定するしかない。対面授業していても、従来の、パンデミック前の授業スタイルではないです。
そういう状況下で、従来通り値上げする大学、あるいは、学生に対して何の財政措置も取らない大学には、個人的には行くべきではないと思います。今回の件は、良心的な大学かどうかを見極める一つの材料にもなるでしょう。
・アメリカは大きい国なので、U.S.Newsは全米の大学を全国、地域別、分野別、リベラルアーツ大学などに分けてランキングしています。全米での大学数はコミカレも含めれば4,000校以上になるので、ランクインするだけでも凄いことです。全国区のランキングにランクインされれば、それだけ評価が高いことになりますが、日本の偏差値のように単純ではありません。ランキングに載らない名門校というのもいっぱいあります。大学ランキングは「目安」くらいに捉えれば良いです。
・アメリカの大学は、ヨーロッパのピューリタン達が東海岸に到達したときに、自分たちの子息や宗教指導者を育成するのに資金を出し合って創設したのがはじまりです。なので、今も「歴史ある名門校」とされる大学は東海岸に集中していて、全部私立です。そして費用も高いです。>>>詳しいアメリカの大学の歴史はこちら
・アメリカの奨学金は返済不要なので、もらえればもらえるほど、自己負担は少なくなります。そして確かに、私立大学は公立より奨学金の額が多いです。>>>Tips14 知らないと損する奨学金のはなし/ Tips15 留学生に奨学金を多く出す10大学
(1) 最も費用が安い私立大学10選
<2020年度最も費用が安い私立大学>
大学名(州) | 学費と諸費用の額($) | U.S.Newsの大学ランキング |
---|---|---|
Brigham Young University – Idaho | 4,208 | 地域別大学ランクNo.16(西部) |
Brigham Young University – Hawaii | 5,720 | 地域別大学ランクNo.10(西部) |
Brigham Young University – Provo (UT) | 5,970 | 全米総合大学ランクNo.80 |
Donnelly College (KS) | 7,740 | 地域別大学ランクNo.58-76(中西部) |
Bellevue University (NE) | 7,851 | 地域別大学ランクNo.119-156(中西部) |
Paul Quinn College (TX) | 9,125 | 地域別大学ランクNo.26-33(西部 |
University of the Cumberlands (KY) | 9,875 | 全米総合大学ランクNo. 298-389 |
Rust College (MS) | 9,900 | 全米リベラルアーツ・カレッジランクNo.171-221 |
Baker College of Flint (MI) | 9,920 | 地域別大学ランクNo.119-156(中西部) |
Southern New Hampshire University | 9,980 | 地域別大学ランクNo.75(北部) |
他方で、最も安い私立大学10校の平均的な費用は$8,029である。このリストのトップにあるBrigham Young University – Idahoは、2020年度1年間の学費と諸費用が$4,208である。
Brigham Young Universityの他2つのキャンパスも上のリストに入っている。いずれにせよ、モルモン教の学校のため、モルモン教徒のみがこの安い大学費用を享受できる。例えば、Brigham Young University – Provo の場合なら、非モルモン教徒は2倍の費用$11,940を支払わなければならない。
これら最も費用の安い大学は、地域別大学ランキングにランクインしていて、西部・中西部に位置している。
・アメリカには宗教系の大学も多く、特にキリスト教の学校は沢山あります。宗教系の大学は、比較的安い学費、諸費用、寮費になっています。
Brigham Young Universityは信者でない場合、2倍の学費を払わなければなりませんが、それでも年間$11,940だけなんて破格の安さで、公立でもここまで安くありません(留学生は公立でも高い学費を払うことになるので)。Brigham Young Universityは厳しい宗教上のルールを学生含めた学校関係者に求めているため、非信者だと同校でやって行くのは難しいかもしれません。
宗教系の大学でも、宗教的なルールを全く求めないところもあります。日本人は宗教にこだわりのない人が多いので、ルールがゆる〜い学校なら、行く可能性を考えても良いのではないかと思います。
・ヨーロッパの移民たちは、東海岸に到着して西へ向かって開拓していったので、西部、中西部は東部に比べて新しい学校が多いです。また、公立大学、大規模大学、費用が安い大学は、東より西側に多くあります。
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さて、いかがだったでしょうか?
アメリカの大学の費用は学校によってこんなにも違うことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
これが公立になるとここまで学費の高低差がないので、結果的に私立大だけが今回のリストには上がって来たのだと思います。
ただ実際には、学部によって金額が違うこともあるし、奨学金の額、在籍年数、ESLへ行くかどうか、コミカレから編入するかどうかでも、自己負担しなければならない費用は変わってきます。
なので、あくまで「ふーん、なるほどねー」という感じで参考程度に知っていただければと思います。