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アメリカ留学 Tips 7 アメリカの大学の単位や授業を詳細解説

留学準備
この記事は約14分で読めます。

アメリカへ大学留学をお考えの方へ。

アメリカの大学の授業ってどんな感じ?どんな風に受けるの?

そんな疑問、ありませんか?

私は渡米する前にかなり大学留学の情報をネットで調べましたが、日本語のウェブサイトはザックリしたものや主観的なものばかりで、具体的な使える情報ってどこにあるの??と思っていました。

そして英語のウェブサイトでは、そんなこと彼らにとっては当たり前過ぎるのと、私の英語力が悲惨だったのとで、欲しい情報を見つけることができませんでした。

なので本記事では、実際にアメリカの大学に入学、転校、転科、卒業した筆者の経験や友人たちの情報に基づいて、アメリカの大学の授業がどのように行われるのか、リアルな情報をシェアします。

このウェブサイトでは、留学前に絶対知っておいた方が良い情報を「アメリカ留学Tips」としてシリーズでお伝えしていますので、真剣に留学(特に大学留学)を考えている方はぜひ他の記事もチェックしてみてください。

1. 年度と学期

(1) 年度

大学に限らず、アメリカの学校は、新年度が始まるのは通常8月下旬から9月中旬の間で、翌年の5月〜6月初旬に終了します。そこからまた新年度が始まるまでは夏休みです。この1年のサイクルをAcademic Yearと呼びます。

各学校は、そのAcademic Yearに何をするか、全てのスケージュールをAcademic Calendarに落とし込み、それに基づいて1年が進んで行きます。入学試験やオリエンテーションの日程、学期の開始・終了、祝日、学費振込の締め切り、卒業式の日程…などが書かれています。Academic Calendarは各学校のウェブサイトやコースカタログで確認することができます。

(2) 学期

アメリカの大学には、主に2種類の学期制があります。何を採用しているかは学校によります。

2学期制(Semester)

Academic Yearが、秋・春の2つの学期から成ります。ほとんどの大学はSemesterを採用しています。

  • 秋学期(Fall Semester):8〜9月に始まり12月に終了
  • 春学期(Spring Semester):1月から始まり5〜6月に終了
  • 1 Semesterは15〜17週

中には、夏休みに夏学期(Summer Session)をオファーする大学があります。しかし、他の学期に比べて限定的なコース設定で期間が短く、正式な学期として捉えられていません。なのでSummer Sessionは履修してもしなくても構わないです。

Summer Sessionのクラスを登録すると、学費や諸費用が別途かかります。ゆっくりじっくり勉強できるメリットはあるものの、コスパが良くなく、勉強漬けの日々から解放されたい大多数の学生たちはしっかり夏休みを取ります。そして帰省したり、バイトしたり、好きなことをします。もちろん、夏学期に履修すれば取得した単位は認められますよ!

4学期制(Quarter)

Academic Yearが、秋・冬・春の3学期から成ります。

  • 秋学期(Fall Semester):9月開始
  • 冬学期(Winter Semester):1月開始
  • 春学期(Spring Semester):3月開始
  • 1 Quaterは10週くらい

中には夏を4学期目としてオファーする学校がありますが、Semester同様、公式な学期ではありません。

なお、3学期制(Trimester)は、実質的には4学期制(Quarter)と同じです。

2. フルタイム学生とパートタイム学生

アメリカの大学は、1学期あたりの単位登録数によって、学生をフルタイム(Full-time student)パートタイム(Part-time  student)の2種類に分けています。

学校が定めた単位以上を登録した学生は“Full-time”、それより少ない学生が“Part-time”です。“Part-time”は、主に働きながら勉強したいという方へ向けたものと言えます。一般的に、1 Semesterあたり12単位以上かどうかが両者の境になります。

なお、“Full-time”であれば大学生割引で電車やバスの定期が買えますが、“Part-time”ではできません。もっとも、車なら関係ないですけどね。

留学生は基本的に“Full-time”でいなければなりません。別記事で紹介しましたが、オンライン授業が3単位以上なのはダメ、そして“Part-time”もダメです。唯一、卒業直前の最終学期にのみ“Part-time”になることが認められます。最終学期は卒業単位の調整したり、進路を決めなければならないので、これは助かります(もちろん、Full-timeでも構いません)。

3. 単位(Credit/ Credit Hour)のはなし

アメリカの大学は、日本と同じく単位制です(高校もです)。単位はCredit(s)/ Credit Hour(s)と言います。

しかし、日本の大学のように在籍年数で学年が上がる訳ではありません。卒業に必要な単位を取得した学期が最終学期=卒業となります。四年制大学でも、どんどん単位をこなしていけば最短2年半くらいで卒業することができるし、逆に休学したり少しずつ単位を取ったりすれば、7〜8年かけて卒業ということになります。融通が利いて、実力・やる気のある人にはとても親切なシステムだと思います。

ちなみに、

  • Freshman:1年生
  • Sophomore:2年生
  • Junior:3年生
  • Senior:4年生

と和訳されることが多いですが、あまり正確な訳ではありません。実際には、取得済みの単位数に応じて次のように呼びます。

  • Freshman:0~30単位
  • Sophomore:31~60単位
  • Junior:61~90単位
  • Senior:91単位以上

もっとも、学部生のプログラムは4年間をモデルとしてつくられるし、それに沿って履修していく学生も多いので、あながち遠くないですけどね。

(1) 単位取得とコースカタログ

大学は年度ごとにコースカタログ(Course Catalog)と言うものをつくります。学校方針や、そのAcademic Yearに行われること、その年のあらゆるプログラム、コース、クラスなど、学校に関する全ての情報が記載されています。冊子やウェブサイトで公開されているので要チェックです。

入学から卒業まで、在学中はCourse Catalogを見ながら単位を取得していきます。学校を決める前にCourse Catalogチェックすれば、在学中にあなたのやりたいことができるかどうか、どのように勉強していくのか把握できますよ。

特に入学した年度のCourse Catalogは非常に大事で、もし途中で学校がコース改変しようとも、基本的には入学時のCourse Catalogに沿って単位を取得し卒業することになります。冊子でもデータでも受け取ったら保存しておきましょう。

(2) クラス登録

特に留学したばかりだと右も左も分からず不安なことも多いと思います。ここではクラス登録について一般的な話をします。どんなクラスを取るかなどはAcademic Advisorに相談すると良いです。

学校によっては学生一人ひとりに担当のAcademic Advisorがつき、学業に関する相談を何でもできます。在学中に皆がお世話になる方々です。

① 1学期にどのくらい単位を取る?

前述のように、基本、留学生には”Full-time”縛りがあります。”Full-time student”を維持するため、学校が定めた最低限の単位は少なくとも登録しなければなりません(Semesterの場合、多くは1学期に12単位以上)。

最低限の単位数しか登録しないと、クラスが自分に合わないときに落とせなくなってしまうので、少し余裕を持って登録した方が良いです。逆に、欲張って沢山登録すると追加料金がかかるし負担も大きくなってしまいます。学校が「17単位以上は1単位$700追加」などと定めています。追加料金がかからない範囲で単位を取るのが良いです。通常の学費で取れる単位の最大値は16単位くらいです。

結果、1 Semesterあたり12〜16単位くらいを登録することになりますが、コスパが一番良いのは追加料金を取られない範囲で最大の単位数を取ることです。とは言え、オススメは1 Semesterに15単位くらい。留学したてで初めての学期であれば、13単位くらいでも良いかもしれません。専攻や授業の労力度、他の活動時間との兼ね合いにもよりますが、12単位だと全く物足りず、16単位だとかなり余裕が無くなります。

② クラス登録(Registration)の仕方

Course Catalogに卒業までどんな単位を取れば良いか、学期ごとの単位取得モデルがあるはずなので、それを参考に授業登録すると良いです。

新入生に対しては毎回オリエンテーションが行われます。そこで色々な説明があると思うので、まずは参加して内容をしっかり聞きます。

新学期が始まってから1週間くらいまでがクラス登録期間(Registration)になります。その間に授業が始められ、各クラス1回目の授業ではSyllabusが配られて(あるいはネット上で確認)、今後授業がどのように進められるのか、どのように成績を付けるのか、注意事項など、クラスの説明や、先生や生徒同士の自己紹介などが行われます。

新入生は学校の案内に沿って、言われた通りにクラス登録することが多いと思います。クラス登録期間中は、クラスを加えたり取消したりが自由にでき、プライベートレッスンなどクラスによっては先生が他生徒とのスケジュール調整をしたりします。この間に自分の時間割も定まっていきます。

実際のクラス登録は多くの場合、学校のシステムにログインして行います。どんなシステムを使っているかは学校によって異なります。在校生には新学期より前にクラス登録が開放されることが多いので、人気のあるクラスや先生、スケージュール的に取りやすいクラスは既に定員に達していて、新入生が登録できないこともあります。特に学生が多い学校ではよくある話です。

ある意味、クラス登録は競争なので、オープンになったら直ぐに登録を済ませてしまうことをオススメします。その学期に取らなければならない必修科目を登録できなかったら悲惨です。また単純に「面白そう」と思ったものも取り敢えず登録してしまいましょう。

クラス登録期間にお試し出席してみて「違うな」と思ったら取消してしまえばいいです。最終的な単位登録に従って学費の請求額が決められるので、仮に20単位を最初に登録したとしても、締め切り前に取消して単位を減らしてしまえば何の問題もありません。極端な話、全クラスをこの期間に取消すと学費は$0になります。

③ 履修単位をうまく減らす方法

履修しなければならない単位を減らす=アメリカの大学でお金と時間を節約する方法です。ここでは2つの方法をご紹介します。

単位移行(Transfer Credits)

すでに日本の大学の単位を持っているときは、単位移行できるかAcademic Advisorに相談してみましょう。学校によって単位移行できる範囲は違うので、入学する前にスキャンした英語の成績表をメールで送って聞いてみると良いです。ラッキーなら、おおよその単位移行数を教えてもらえるかもしれません。

より多く単位移行を認めてもらえる学校に入学すれば、在学期間を短くすることができ、お金も時間も節約できます。一般的に日本の大学の方が遥かに学費が安く、母国語で履修できるので、一般教養分やアメリカで取る必要がないと思う単位は日本で取って移行してしまうのも手です。

注意したいのは、日米で成績の付け方が違うため、日本の大学が作成した英語の成績表だけではアメリカの大学が評価がしにくいことです。もし、お目当の大学が自前で日本の大学の成績を評価できない場合は、ECEなど幾つか外国の成績評価機関があるので、日本の大学の成績表を送ってアメリカの大学が見て分かるように評価表作成をオーダーしなければなりません。また正式な書類は、成績評価機関から直接アメリカの学校側へ送付してもらうことになります。この作業はいずれにせよ、入学試験または入学の書類提出で必要になるので、いつかやらなければならないものです。

入学したら必ずAcademic Advisorに会いに行き、どれだけ単位移行できるか、自分はどんな単位を履修しなければならないか、きちんと確認してくださいね!

テストアウト(Test-out)

自分が知っている内容やできることは、わざわざ授業で習う必要ないです。自分にそのクラス以上の実力があると思うなら、Test-outに挑戦してみてください。簡単なテストを受けてパスすれば、そのクラスは履修する必要がなくなりスキップできます。

Test-outは学校が指定する日時に行われることもあれば、先生に直接を話を持ちかけてお願いすることもあります。いずれにせよクラス登録期間中の早い時期に行われます。

Test-outできれば、代わりに上位クラスあるいは他のクラスを取ることができます。テストはそれほど大層なものではないのでビビる必要はありません。多くの学生が受けるので、先生がいくつか基本的な質問してきたり、実技なら少し目の前でやってみるくらいで、5〜10分程度で終わります。

数学など日本の高校までの課程でアメリカより進んでいる科目や、日本人が当たり前だと思ってやっていることは、実は意外とレベルが高かったりします。例えば、音楽専攻で言えばKeyboardのクラスは必修になりますが、日本でピアノをちょっとでも習ったことがある人は結構Test-outできてしまうと思います。尻込みせず、チャンスは逃さずどんどん使いましょう!

④ クラスは通年で有機的に組まれている

アメリカでは新年度が秋学期なので、秋学期に基礎レベルの授業が開講され、春学期に次のレベルの授業、そしてまた秋学期にそれより上のレベルの授業が開講されるという具合に組まれています。

例えば、音楽専攻の場合、Music Theoryはどの学校でも必修になりますが、Music Theory1、2、3というようにレベルが分かれていたら、Music Theory1の単位を取ってからでないとMusic Theory2は履修できないというような条件があります。

このように基礎より上のクラスは「このクラスを取る前に◯◯クラスの履修していること(同時履修可)」のような条件が付くので、クラス登録をする前にちゃんとCourse Catalogで確認しなければなりません。

また通常、Junior、Senior向けのレベルの高いクラスを履修するには、Freshman、Sophomoreで取るべき単位を全て取っているか、あるいは、2年生終了時の試験をパスできるかといった壁があります。

単位取得はきちんと順を追っていく必要があります。年に1回しか取るチャンスがないクラスが意外と多いので、気をつけてクラス登録したいところです。

⑤ 単位と授業の長さ

単位はCredit(s)/ Credit Hour(s)で、通常、1 Credit=週1時間の授業となります。1クラスあたりで言うと大体1〜4単位くらいです。しかし例外はあって、私が実際に受けたものの中には、週3時間授業+週1時間の自主ワークショップで1単位しかもらえない授業がありました。

2単位のクラスなら、週1回2時間の通し授業、または、週2回各1時間の授業という具合にクラスが設定されます。1つのクラスが週2回に分けて行われるときは、月・水あるいは火・木がセットになって設定されることが多いです。

⑥ 留学生は少人数クラスを取るべし!

留学生はなるべく少人数のクラスを取った方が良いです。理由は少人数の方が授業について行きやすいのと、先生やクラスメイトとより密接な関係を築けるからです。

学校を調べるときに学校情報の中には「先生:学生」の割合(個人的には先生1:学生12〜13くらいが理想)が出ているので、そういうものを参考にしたり、あるいは直接学校に聞くのをオススメします。また規模の小さい学校であれば、クラスの規模も小さいです。

⑦ 授業はどんな風に行われる?

授業スタイルは、講義、ディスカッション、研究、実技など、クラスによって様々です。

実際の授業風景は、校風や先生によってかなり違うと思います。でも一般的に、アメリカの方が先生と学生の距離が近くて、学生が積極的に参加していると思います。先生も一方的に講義するというよりは学生に話しかけながら、感触を確かめつつ進めて行く感じです。

例えば、講義スタイルで40〜50人くらいの授業だとしても、先生が話している中で疑問があれば学生は普通に話しかけたり、手を挙げたまま指されるまで待っています。感想とか大した意見でなくても皆何かしら言います。そういう学生が沢山いて、先生と学生の会話の中で授業が進むので賑やかです。

私がMcNallyに通っていたときは、皆授業に出ながら普通にランチやおやつを食べていて自由だなと思っていましたが、Columbia Collegeのときは厳しい校風だったので、あまりそういう人は見かけませんでした。

毎回の授業はSyllabusに従って進められます。スケジュールは週単位で表示され、

Week 1:〇〇

Week 2:△△

のように内容が明確に記載されていることが多いです。

出欠はどのクラスでも毎回取ります。先生が名前を呼ぶこともあれば、紙に名前を書く場合もあります。

宿題(Homework/ Assignment)は毎週あるいは毎回、全ての授業で出ます。それぞれの量が結構あるので、宿題の提出だけでかなりエネルギーを使います。

出欠席、課題提出、テスト、全てが成績に反映されるので気が抜けません。まだ慣れていなかったり英語力がないうちは、本当にしがみ付きながら必死に勉強することになります。

⑧ クラス登録の関連用語まとめ

  • Registration: クラス登録
  • Last day to add (classes/ courses): クラスを追加できる最終日
  • Last day to drop  (classes/ courses): クラスを取り消せる最終日で、成績にW(Withdraw)を付けずに落とせる
  • Withdraw: 登録したクラスを取消すこと。成績の良し悪しで落とすという意味ではなく、授業登録自体を取消してしまうこと。そのクラスが必修ではないのに負担が大きい場合などはWithdrawして自主的にその単位を落とす。ただし、”W”のサインが成績表につく
  • Last day to withdraw: クラス登録を取消せる最終日。通常、学期の中頃に締め切りとなる。これより後はクラス登録を取り消せないので、全て成績がつく
  • Transfer Credits: 以前に取った単位を移行すること。移行できた単位は履修する必要がない
  • Test-out: クラス登録期間中に行われるテストをパスすればそのクラスを取らなくて良いこと

以上、アメリカの大学の学期や単位、授業についてお話ししました。日本の大学と同じ部分もあれば、そうでない部分もあると思います。留学前の参考になれば嬉しいです。

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